レンレン凍え死ぬの巻。

赤い髪にも黒い服にも白い雪が積もる。
誰もいない公園で、レンは目を閉じてベンチに横たわっていた。
僕は誰にも選ばれないまま、ここで死ぬんだ。
ひとりで死ぬんだ。


不意に、何かが頬に触れた。
目をうっすら開く。まんまるの目をした猫が一匹、レンの顔を覗き込んでいた。

「みいい！」


猫はぐりぐりと額をレンの顔にこすりつけ、それからざらざらの舌で舐めた。


「ぼくのそばに、いてくれるの…？」


頭を撫でる。雪でびちょびちょの猫の毛は、それでもやわらかかった。

「みいい！みいい！」


みいい。レンは真似して鳴いてみた。みいい。MEはぼく。LOVE MEのME。LOOK AT MEのME。
HELP MEのMEだ。


みいい！
みいい！
みいいいい！

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